5Gで変わるビジネスと生活の未来 :動画配信やオンライン教育などの事例から見る5Gの可能性

2023.06.15 IT・WEB最新トレンド

5Gで変わるビジネスと生活の未来 :動画配信やオンライン教育などの事例から見る5Gの可能性

2020年から一部エリアでサービスが開始された5G(第5世代移動通信システム)は、高速・大容量・低遅延・多数同時接続という特徴を持つ次世代の通信技術です。5Gは、私たちの生活やビジネスにどのような変化をもたらすのでしょうか?

今回は、5Gの特徴やメリットを解説し、動画配信やオンライン教育などの既存のサービスやアプリに活用する方法と、スマート観光やスマート農業などの新しいサービスやアプリに活用する方法を事例とともにご紹介します。また、5Gが社会課題を解決するための一つの手段としても期待されていることをお伝えします。

5Gとは何か?通信規格の進化の流れを押さえよう

5Gとは「5th Generation(第5世代移動通信システム)」の略称で、現在主流の移動通信システム「4G」の後継となる次世代の無線通信規格です。初めて5Gのコンセプトが明かされたのは2015年9月。国際連合の専門機関である国際電気通信連合(ITU)が発表したレポートの中で「高速・大容量」「超高信頼・低遅延」「多数同時接続」という3つの特徴が示され、これが5Gの技術性能要件として国際的に認められました。


5Gでできること(特徴)と、4Gとの違い
  • 高速・大容量:5Gになると通信速度が大幅に向上します。4Gでは受信時(下り)最大1Gbpsですが、5Gでは最大20Gbpsという通信速度が実現。2時間以上の映画でも数秒でダウンロードでき、高画質や高音質の動画をストレスなく楽しめるようになります。
  • 超高信頼・低遅延:「エッジ・コンピューティング」という技術により、よりリアルタイムでの通信が可能になります。4Gでは送信されたデータ(画像や音声など)が基地局へ届くまでに1/100秒のタイムラグが発生しますが、5Gではその10分の1以下、1/1,000秒に誤差を短縮できます。オンラインゲームや遠隔手術など、遅延が許されない分野にも応用できます。
  • 多数同時接続:5Gでは、1つの基地局から同時に接続できる端末が飛躍的に増えます。4Gでは1平方キロメートルあたり10万デバイスが接続できますが、5Gではその10倍の100万デバイスが接続可能に。モバイル端末だけでなく、家電やウェアラブルデバイスなども含め大量の接続にも対応できます。

5Gを既存のサービスやアプリに活用する方法

5Gを生活に役立てる方法は、既存のサービスやアプリを快適に利用する方法と、新しいサービスやアプリを体験する方法があります。まずは、既存のサービスやアプリを快適に利用する方法として、動画配信やオンライン教育などの事例を紹介します。


動画配信:高画質・高音質の動画をストレスなく視聴できる

動画配信サービスは、4G時代から人気のあるサービスですが、5Gではさらにその魅力が増します。5Gでは、高速・大容量通信によって、4Kや8Kといった高画質やドルビーアトモスといった高音質の動画をストレスなく視聴できます。

また、低遅延通信によって、ライブ配信やオンラインコンサートなどのリアルタイム性の高いコンテンツも楽しめます。動画配信サービスは、エンターテイメントだけでなく、教育やビジネスなどの分野でも活用される可能性があります。


オンライン教育:VRやARなどを用いた没入感のある教育コンテンツを提供・受け取ることができる

オンライン教育は、5Gでは、高速・大容量通信によって、オンライン教育の品質や多様性を向上させることができます。例えば、オンライン教育者や受講者は、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)などを用いた没入感のある教育コンテンツを提供・受け取ることができます。

また、低遅延通信によって、遠隔地からのライブガイドやインタラクティブな体験も可能になります。オンライン教育は、学校教育だけでなく、生涯学習や職業訓練などの分野でも活用される可能性があります。

5Gを新しいサービスやアプリに活用する方法

次に、5Gを新しいサービスやアプリに活用する方法として、スマート観光やスマート農業などの事例を紹介します。


スマート観光:観光地でのVRやARなどの臨場感のあるコンテンツを提供・受け取ることができる

スマート観光は、5Gでは、高速・大容量通信によって、観光地でのVRやARなどの臨場感のあるコンテンツを提供・受け取ることができます。例えば、観光客は、歴史的建造物や自然景観などをVRやARで見たり触れたりすることができます。

また、低遅延通信によって、遠隔地からのライブガイドやインタラクティブな体験も可能になります。 スマート観光は、観光客の満足度や消費拡大だけでなく、地域の文化や歴史の伝承や活性化などの分野でも活用される可能性があります。

スマート農業:農作物の生育状況や病害虫の発生をリアルタイムで把握・対策できる

スマート農業は、5Gでは、高速・大容量通信によって、農作物の生育状況や病害虫の発生をリアルタイムで把握・対策できます。例えば、農地に設置された5G対応のセンサーやカメラなどのIoT機器は、土壌や気象などの環境データや、作物の成長や色彩などの画像データをクラウドに送信します。これらのデータはAIによって分析され、最適な施肥や灌水、収穫時期などの指示が農家に提供されます。

また、低遅延通信によって、5G対応のドローンやロボットなどを遠隔操作して、作業効率化や省人化を図ることもできます。スマート農業は、食料安全保障や環境保全などの社会課題にも貢献する可能性があります。


スマートヘルスケア:遠隔医療やウェアラブルデバイスなどを用いた高度な医療サービスを提供・受け取ることができる

スマートヘルスケアは、5Gでは、高速・大容量通信によって、遠隔医療やウェアラブルデバイスなどを用いた高度な医療サービスを提供・受け取ることができます。例えば、医師は5G対応のVRやARなどを使って、遠隔地から患者の診察や手術を行うことができます。

また、患者は5G対応のウェアラブルデバイスやスマートフォンなどで自身の健康状態や生活習慣などのデータをクラウドに送信し、AIによって分析されたフィードバックやアドバイスを受け取ることができます。さらに、低遅延通信によって、救急車内での診断や治療も迅速かつ正確に行うことができます。スマートヘルスケアは、医療格差の解消や予防医学の普及などの社会課題にも貢献する可能性があります。

5Gが社会課題を解決するための一つの手段として期待されている

以上のように、5Gは既存のサービスやアプリだけでなく、新しいサービスやアプリも生み出す可能性があります。しかし、5Gは単なる技術ではありません。5Gは社会課題を解決するための一つの手段として期待されています。

例えば、5Gは災害時における情報伝達や救助活動に役立つことができます。5Gは多数同時接続によって、災害発生時にも通信網が途絶えることなく、被災者や救助者の位置や状況をリアルタイムで把握できます。また、5Gは高速・大容量通信によって、災害現場の映像や音声などのデータを素早く送受信でき、適切な支援や指示を行うことができます。さらに、5Gは低遅延通信によって、遠隔地からのロボットやドローンなどの操作もスムーズに行うことができます。

5Gは地方創生にも貢献することができます。5Gは高速・大容量通信によって、地方でも都市と同等の情報インフラを整備できます。これにより、地方でもオンライン教育やテレワークなどのサービスを利用できるようになり、教育や就業の機会が増えます。また、5Gは多数同時接続によって、地方でもスマート農業やスマート観光などの新しい産業を創出できます。これにより、地方でも経済活動や観光客の誘致が活発化します。

まとめ

5Gは高速・大容量・低遅延・多数同時接続という特徴を持つ次世代の通信技術です。5Gは私たちの生活やビジネスに様々な変化をもたらします。動画配信やオンライン教育などの既存のサービスやアプリを快適に利用する方法と、スマート観光やスマート農業などの新しいサービスやアプリを体験する方法があります。また、5Gは社会課題を解決するための一つの手段としても期待されています。災害対策や地方創生などの分野で活用される可能性があります。

5Gはまだ始まったばかりですが、今後さらにその可能性は広がっていくでしょう。私たちは5Gの恩恵を受けるだけでなく、5Gを活用して新しい価値を創造することができます。5Gは私たちの未来を大きく変えていくでしょう。

みなさまの成功や幸せへのヒント・気づきになれば幸いです。 

最後までお読みいただきありがとうございました。