5Gと放送・メディアの関係とは?低遅延での中継映像や4K・8K放送などの技術を紹介

2023.06.16 IT・WEB最新トレンド

5Gと放送・メディアの関係とは?低遅延での中継映像や4K・8K放送などの技術を紹介

5Gとは、第5世代移動通信システムのことで、超高速・大容量・超低遅延・多数同時接続という特徴を持つ通信技術です。2020年に国内で商用サービスが始まり、今後はさらに普及が進むと予想されています。

5Gは、スマホやパソコンなどのデバイスだけでなく、家電やセンサーなど様々な機器をインターネットにつなげることで、社会や産業に革新的な変化をもたらすと言われています。今回は、5Gが放送・メディアの分野に与えるインパクトについて、具体的な技術や事例をご紹介します。

低遅延での中継映像

5Gの特徴の一つである超低遅延とは、通信での遅延時間が1ミリ秒以下になることを意味します。これは、4Gでは10ミリ秒ほどだったものが10分の1に短縮されるということです。この超低遅延により、リアルタイム性が求められる中継映像の品質や効率が向上します。

例えば、スポーツ中継では、現場から映像を送る際に発生する遅延が少なくなることで、視聴者により臨場感あふれる映像を提供できます。また、解説者やアナウンサーが別の場所から参加する場合も、遅延が少ないことで円滑なコミュニケーションが可能になります。

さらに、5Gでは複数のカメラから同時に映像を送信できるため、視聴者は自分の好きな視点から試合を見ることができます。これはマルチアングル視聴と呼ばれる技術で、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)と組み合わせることで、より没入感の高い体験が可能になります。

4K・8K放送

5Gは、通信速度が10~20Gbps(ギガビット毎秒)という超高速・大容量の特徴を持ちます。これは、4Kや8Kといった高精細な映像をストレスなく送受信できるということです。4Kや8Kは、フルハイビジョン(2K)よりも画素数が多く、より鮮明で美しい映像を表現できます。

現在、日本では衛星放送で4K・8Kの放送が行われていますが、地上デジタル放送では2Kの画質に留まっています。これは、地上波では災害情報やニュースなどの緊急性の高い放送を届ける必要があるため、4K・8Kに対応すると視聴できない家庭が出てくることを避けるためです。しかし、5Gを利用すれば、インターネット上で4K・8Kの放送を視聴できるようになります。

例えば、NHKでは2020年4月に「NHKプラス」というサービスを開始しました。これは、テレビ番組をインターネット上で同時配信するサービスで、5Gに対応した端末であれば4K・8Kの番組も視聴できます。また、民放各局もインターネットでの動画配信サービスに積極的に参入しており、今後は4K・8Kのコンテンツも増えていくと予想されます。

まとめ

5Gは、放送・メディアの分野において、低遅延での中継映像や4K・8K放送などの技術を実現することで、視聴者により高品質で多様な映像体験を提供することができます。また、5Gは通信技術だけでなく、社会や産業にも大きな影響を与えるということを忘れてはなりません。

みなさまの成功や幸せへのヒント・気づきになれば幸いです。 

最後までお読みいただきありがとうございました。