気候変動問題に対する国際的な取り組みが加速する中、5Gという最先端の通信技術がどのように関わっているのでしょうか？ 5Gは、高速・大容量・低遅延・多数同時接続という特徴を持ち、さまざまな産業や社会課題の解決に貢献できる技術です。 本記事では、5GがSDGsやカーボンニュートラルに向けた取り組みにどのように貢献できるか、またその具体的な事例をご紹介します。

SDGsとは、2015年に国連で採択された「持続可能な開発目標」のことで、貧困や格差、気候変動などの世界的な課題を解決するために定められた17の目標です。 2030年までに達成することが目標とされています。

カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすることを意味します。 温室効果ガスは、地球温暖化の主要な原因であり、気候変動や自然災害などの深刻な影響をもたらしています。 2015年に成立した「パリ協定」では、世界の平均気温上昇を産業革命前と比べて2℃以下に抑えることが合意されました。 そのためには、2050年までに温室効果ガスを世界全体で実質ゼロにする必要があると試算されています。

5Gは、SDGsやカーボンニュートラルに向けた取り組みにどのように貢献できるのでしょうか？ ここでは、以下の3つの観点から考えてみます。

• 5Gが直接的に温室効果ガス排出量を削減する
• 5Gが再生可能エネルギーなどの環境配慮型サービスや産業を支える
• 5Gがブルーカーボンなどの新しい取り組みを可能にする

5Gが直接的に温室効果ガス排出量を削減する

5Gは、高速・大容量・低遅延・多数同時接続という特徴を持ちます。 これらの特徴により、5Gは以下のような方法で直接的に温室効果ガス排出量を削減することができます。

• テレワークやオンライン教育などの普及により、交通や建物のエネルギー消費を減らす
• VRやARなどの技術により、リアルな体験を提供し、旅行やイベントなどの移動や資源の消費を減らす
• IoTやAIなどの技術により、農業や工場などの生産性や効率性を高め、エネルギーや資源の無駄を減らす

例えば、NTTドコモは、5Gを活用した「グリーン5G」の展開を行っています。 グリーン5Gとは、ドコモが消費する電力の実質再生可能エネルギー比率が、ドコモの総契約者数に占める5G契約者数の比率よりも上回ることで、温室効果ガスの排出をしない環境に配慮した5Gというものです。 2021年10月1日から、「グリーン5G」のロゴマークとともに展開しています。

5Gが再生可能エネルギーなどの環境配慮型サービスや産業を支える

5Gは、高速・大容量・低遅延・多数同時接続という特徴を持ちます。 これらの特徴により、5Gは以下のような方法で再生可能エネルギーなどの環境配慮型サービスや産業を支えることができます。

• 太陽光や風力などの再生可能エネルギー源の発電量や需要量をリアルタイムに把握し、最適な供給・貯蔵・調整を行う
• 電気自動車や自動運転車などの次世代移動手段の安全性や利便性を高める
• スマートシティやスマートグリッドなどの社会インフラの効率化や最適化を行う

例えば、NTTドコモは、「ドコモでんき」において、実質再生可能エネルギー（再生可能エネルギー指定の非化石証書の利用を含む）を積極的に活用した地球にやさしいプラン「ドコモでんき Green」を提供しています。 2022年3月（予定）から提供開始する予定です。

5Gがブルーカーボンなどの新しい取り組みを可能にする

5Gは、高速・大容量・低遅延・多数同時接続という特徴を持ちます。 これらの特徴により、5Gは以下のような方法でブルーカーボンなどの新しい取り組みを可能にすることができます。

• 海洋や沿岸域における二酸化炭素吸収量や生態系サービス価値を評価し、保全・管理・活用を行う
• 気候変動への適応策として、海面上昇や津波などの自然災害への対策や予防を行う
• 海洋資源や海洋エネルギーなどの新たな産業やビジネスを創出する

例えば、NTTドコモは、5Gを活用した「ブルーカーボン」の取り組みを行っています。 ブルーカーボンとは、海草やマングローブなどの海洋植物が二酸化炭素を吸収し、土壌に貯蔵することで温室効果ガスの排出量を削減することを指します。 ドコモは、5Gを使って海草の生育状況や二酸化炭素吸収量をモニタリングし、ブルーカーボンの評価や保全に貢献しています。

まとめ 

5Gは、高速・大容量・低遅延・多数同時接続という特徴を持ち、SDGsやカーボンニュートラルに向けた取り組みに貢献できる技術です。 5Gは、直接的に温室効果ガス排出量を削減するだけでなく、再生可能エネルギーなどの環境配慮型サービスや産業を支えたり、ブルーカーボンなどの新しい取り組みを可能にしたりします。 5Gは、気候変動問題に対する国際的な取り組みが加速する中、重要な役割を果たすことができるでしょう。

みなさまの成功や幸せへのヒント・気づきになれば幸いです。 

最後までお読みいただきありがとうございました。