マインドフルネスと生産性向上 - 「今、この瞬間」に注意を向ける科学的アプローチ

2023.07.28 Mindful Business

マインドフルネスと生産性向上 - 「今、この瞬間」に注意を向ける科学的アプローチ

私たちは日々情報に溢れた環境で働き、メールやメッセンジャーの通知など、注意を散らす要因に囲まれています。実際、ハーバード大学の研究によれば、労働時間の約47%は注意力が分散し「マインド・ワンダリング(心の迷走状態)」にあるとされています。そこで、「マインドフルネス」の考え方が注目されています。今回は、マインドフルネスの科学的な背景と生産性向上に与える影響、そしてその具体的な取り組み方について詳しく解説します。

マインドフルネスとは何か?

「マインドフルネス」は、一般的には瞑想と結びつけて考えられることが多いですが、本質的には「今、この瞬間」に注意を向けている状態を指します。一つの手法として「マインドフルネス瞑想」があり、これは「アテンション(注意力)のトレーニング」でもあります。

マインドフルネスの科学的な効果

マインドフルネスには以下のような科学的な裏付けがあります。

  1. 集中力の向上: マインドフルネス瞑想は、呼吸に注意を向け続けることで「今、この瞬間」に集中するトレーニングです。これにより一つのことに集中する力が高まり、仕事の効率が上がります。

  2. 自己認識力の強化: マインドフルネス瞑想を行うと、雑念が浮かんできて集中できていないことに気づくことが多くなります。しかし、それは悪いことではありません。「今、私は集中できていない」「他のことが気になっている」という自己認識が高まり、それを認知し調節する力がつきます。

  3. 創造性の向上: 自分の内面に意識を向けることで、新しいアイデアや解決策を見つけ出す力が高まります。

マインドフルネス瞑想とその実践方法

先ほどお伝えしたように、マインドフルネスとは、「今、この瞬間」に意識を向けている状態のことを指します。言い換えれば、心がフルに存在する瞬間、つまり「心の在り方」そのものがマインドフルネスです。

この心の在り方を鍛える手段の一つが「マインドフルネス瞑想」です。別名、「注意力のトレーニング」とも称され、集中力や自己認識力を高める効果が期待できます。

マインドフルネス瞑想では、呼吸に集中することで「今、この瞬間」に注意を向け、心の迷走状態(マインド・ワンダリング)から脱出しようとするのです。労働時間のうち47%が心の迷走状態にあるという研究結果があり、マインドフルネス瞑想は、その時間を減らす手段として有効です。

注意が呼吸からそれたとき、それに気づき再度注意を呼吸に向ける。この一連の動作を通じて、集中力を持続的に維持する力が養われます。

さらに、「自分は集中できていない」「他のことが気になる」「自己否定的な感情が出てきた」等、自己の内面的な状態に気づき、それを受け入れることで自己認識力も向上します。これは、ネガティブな思考の癖や無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)に気づく力を高めます。

マインドフルネス瞑想の種類

マインドフルネス瞑想には、主に3つの種類があります。

  1. 呼吸瞑想:呼吸に注意を向け、息を吸い込み、吐き出すという一連の流れに集中します。無意識的に行っている呼吸に意識を向けることで、「今、この瞬間」を生きる力が養われます。

  2. ボディスキャン瞑想:自分の身体全体に意識を向けていきます。足の指の先から頭のてっぺんまで、体の一部一部に意識を向けることで、自己認識力が高まります。

  3. 歩行瞑想:歩く動作に意識を向けます。足を踏み出す感覚、地面を踏みしめる感覚など、普段気にも留めない動作に意識を集中させることで、「今、この瞬間」に集中する力が育ちます。

これらの瞑想方法を組み合わせたり、一つの方法に集中したりしながら、自分に適したマインドフルネスの瞑想方法を見つけてみてください。

まとめ

「マインドフルネス」は科学的な裏付けを持つアテンション(注意力)のトレーニングであり、日々の生活や仕事の中に取り入れることで生産性を向上させることが期待できます。「今、この瞬間」に意識を向け、マインドフルネスを生活の一部に取り入れてみてはいかがでしょうか。

みなさまの成功や幸せへのヒント・気づきになれば幸いです。 

最後までお読みいただきありがとうございました。