レジリエンスとビジネスの持続性
2023.07.21 Mindful Businessレジリエンスとは、困難な状況に直面したときに、それを乗り越えて回復する能力を指します。この概念は、心理学や社会学、生態学など、さまざまな分野で用いられています。しかし、最近ではビジネスの世界でも、その重要性が認識されつつあります。今回は、レジリエンスの重要性やレジリエンスを強化していく具体的な方法やポイントを詳しく見ていきましょう。
レジリエンスとは?
レジリエンスとは、困難やストレスに直面したときに、それを乗り越え、回復し、さらには成長する能力を指します。心理学の分野では、個人のレジリエンスが注目されていますが、組織や社会全体のレジリエンスも重要な概念となっています。
レジリエンスが注目されている背景
レジリエンスが注目されている背景には、グローバル化による競争の激化、テクノロジーの急速な進化、そして新型コロナウイルスのような大規模な危機があります。これらの状況は、個人も組織も予測困難な困難に直面する可能性が高く、そのような困難に対応するためにはレジリエンスが必要となります。
ビジネスにおけるレジリエンスの重要性
ビジネスの世界では、レジリエンスは企業の持続可能性と直結しています。市場の変化、競争の激化、技術の進化など、様々な困難に直面したとき、レジリエンスが高い企業はそれをチャンスに変え、成長することができます。また、レジリエンスが高い企業は、従業員のウェルビーイングを保つことができ、これが結果的に生産性の向上につながります。
レジリエンスを理解するためのポイント
レジリエンスを正しく理解するために、ここではもう少し掘り下げて具体的なポイントを解説します。レジリエンスに関連する「因子」と「要素」について詳しく見ていきましょう。
レジリエンスに関連する因子
- 危険因子:ストレスや困難な状況をもたらす原因。戦争、災害、病気、貧困、家庭の問題、虐待などが該当。
- 保護因子:ストレスやネガティブな状況を乗り越える要因。個人の精神的特性、相談相手の有無、人間関係、問題解決能力などが該当。
レジリエンスを促す2つの要素
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精神的回復力:心理学者の研究で取り上げられる重要な保護因子。
- 新奇性追求:新たなことに興味を持ち、慣習にとらわれずにチャレンジするスタンス。
- 感情調整:特にマイナスな感情をコントロールし、過度な悲観的な思考を避ける特性。
- 肯定的な未来志向:未来への期待感や前向きなビジョンを持つこと。
- 資質的要因:生まれ持った気質に強く影響される特性。
楽観性、社交性、行動力、統御力などが該当。
- 獲得的要因:発達の過程で後天的に身につける特性。
自己理解、問題解決志向、他者の心情理解などが該当。
- レジリエンスの重要性と内容を従業員に浸透させるための研修やマニュアル作成を行う。
- 採用時の面接や適性検査で、応募者のレジリエンスに着目した選考を実施する。
- 自社のビジョンや方向性を明確に示し、全従業員に浸透させることで、変化への対応力を向上させる。
- 現場のメンバーが自信を持って業務判断できる環境を整える。
- 失敗を恐れずにチャレンジできる企業文化を構築する。
- チャレンジを肯定する制度や評価システムを導入し、従業員のポジティブな姿勢を促進する。
- 事業継続計画(BCP)を策定し、災害やサイバー攻撃などの有事に備える。
- システムや仕組みの強化を行い、トラブルへの対応能力を高める。
資質的要因と獲得的要因
レジリエンスを向上させるためには、危険因子に対して適切に向き合いながら保護因子を強化することが重要です。精神的回復力の要素を育むことや、資質的要因だけでなく獲得的要因にも目を向けることで、個人や組織のレジリエンスを向上させることができるでしょう。
企業としてのレジリエンスを高める4つの方法
従業員のレジリエンスを強化する
ビジョンやミッションを浸透させる
職場環境を整える
BCPへの取り組みに力を入れる
これらの方法を計画的に実行することで、企業や組織のレジリエンスを強化し、困難な状況にも柔軟に対応できる力を身につけることができます。
まとめ
レジリエンスは、個人も組織も、現代社会の困難に対処するための重要な能力です。レジリエンスが高いと、困難を乗り越え、成長することができます。そして、それはビジネスの世界では、企業の持続可能性と直結しています。レジリエンスを高めることで、個人も組織も、より強く、より持続可能な未来を築くことができます。
みなさまの成功や幸せへのヒント・気づきになれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。