エッジコンピューティングの仕組みとメリットを知ろう!

2023.06.19 IT・WEB最新トレンド

エッジコンピューティングの仕組みとメリットを知ろう!

エッジコンピューティングとは?

インターネットの発展に伴って、私たちは日常的にさまざまなデータを生成したり、消費したりしています。しかし、そのデータを処理するためには、遠く離れたデータセンターにあるクラウドコンピューティングを利用することが多いです。クラウドコンピューティングは、大規模なデータ処理や分析に優れていますが、ネットワークの遅延や帯域幅の制限などの問題もあります。そこで、最近注目されているのがエッジコンピューティングです。

エッジコンピューティングとは、利用者や端末と物理的に近い場所に処理装置を分散配置して、ネットワークの端点でデータ処理を行う技術の総称です。エッジコンピューティングは、クラウドコンピューティングの代替ではなく、クラウドと連携してより高速で安定したサービスを提供する別種のソリューションと考える必要があります。

今回は、エッジコンピューティングの仕組みとメリットを解説するとともに、エッジコンピューティングに関する主要な技術要素と標準化についてご紹介します。

エッジコンピューティングの主要な技術要素

エッジコンピューティングを実現するためには、以下のような技術要素が必要です。

  • エッジデバイス: データを生成するセンサーやカメラ、データを消費するスマートフォンやタブレットなどの端末です。エッジデバイスは、エッジプラットフォームと通信してデータを送受信します。
  • エッジプラットフォーム: データを収集、処理、分析する処理装置です。エッジプラットフォームは、エッジデバイスに近い場所に設置されることが多く、ローカルなデータ処理を行います。エッジプラットフォームは、クラウドとも接続してデータを同期したり、詳細な分析や長期的な保存を行ったりします。
  • クラウド: データセンターに設置された大規模な処理装置です。クラウドは、エッジプラットフォームから送られてくるデータを集約し、高度な分析や機械学習などを行います。クラウドは、エッジプラットフォームやエッジデバイスにソフトウェア更新やセキュリティパッチなどを配信したり、管理や監視を行ったりします。

エッジコンピューティングの標準化

エッジコンピューティングは、多様な業種やアプリケーションに適用できる技術ですが、その反面、様々な課題も抱えています。その一つが標準化の欠如です。エッジコンピューティングでは、異なるベンダーやプロバイダーが提供するエッジデバイスやエッジプラットフォームが相互に連携しなければなりませんが、現状ではそれぞれが独自の仕様やプロトコルで動作しています。そのため、互換性や相互運用性が低く、コストや複雑さが増加しています。

この問題に対処するために、標準化団体や業界団体がエッジコンピューティングの標準化に取り組んでいます。例えば、

  • ETSI (European Telecommunications Standards Institute): MEC (Multi-access Edge Computing) という仕様を策定しており、モバイルネットワークのエッジでのコンピューティングを実現するためのアーキテクチャやインターフェースを定義しています。
  • OpenFog Consortium: フォグコンピューティングという概念を提唱しており、クラウドとエッジの間にあるフォグレイヤーでのコンピューティングを実現するためのフレームワークや要件を定義しています。
  • Open Edge Computing Initiative: エッジコンピューティングのエコシステムを促進するために、オープンソースのソフトウェアやハードウェア、ベストプラクティスなどを提供しています。

まとめ

エッジコンピューティングは、データ処理をネットワークの端点で行うことで、高速で安定したサービスを提供する技術です。エッジコンピューティングでは、エッジデバイス、エッジプラットフォーム、クラウドという3つの技術要素が連携して動作します。エッジコンピューティングは、多くの業種やアプリケーションに適用できる技術ですが、標準化の欠如などの課題もあります。標準化団体や業界団体がエッジコンピューティングの標準化に取り組んでおり、今後はより互換性や相互運用性の高いエッジコンピューティングが実現されることが期待されます。

みなさまの成功や幸せへのヒント・気づきになれば幸いです。 

最後までお読みいただきありがとうございました。