インターネットの通信速度が飛躍的に向上すると言われている5G。5Gとはどのようなものなのでしょうか？また、現在主流の4Gとはどう違うのでしょうか？今回は5Gと4Gの違いや特徴についてわかりやすく解説します。

5Gとは？

5Gとは、英語の「5th Generation」の頭文字で、「第5世代移動通信システム」を意味します。5Gは、4Gに代わる新しい通信規格で、高速・大容量・低遅延・高信頼という4つの特徴を持ちます。これらの特徴によって、インターネットの利用体験を大きく変えると期待されています。

4Gと5Gの違い

4Gと5Gの最大の違いは、通信速度です。理論値では、5Gの最大通信速度は4Gの20倍相当です。さらに、一度に送受信できるデータ容量も大きいため、4Kや8Kのような高精細な画像や動画やバイタルデータが逐次送受信可能となります。

また、通信の遅延が少ない高品質な通信を実現します。現行の4Gでビデオ会議を行うと、映像や音声のタイミングがズレたり、途切れることがありますが、5Gなら、通信の遅延は4Gの10分の1程度になり、安定した通信が実現します。

さらに、多数同時接続も実現します。今後、パソコンやスマートフォンはもちろん、あらゆるものがインターネットにつながるIoT（モノのインターネット）化が進展すると、通信量は飛躍的に増加し、回線が不足してしまいます。5Gでは、4Gの30倍〜40倍の機器を同時接続できるようになります。

5Gを支える技術

これら5Gの特徴を支える技術には、以下のようなものがあります。

• 高周波数帯：これまで移動通信では使われていなかった高い周波数帯（Sub6GHz以下と28GHz）を活用することで、高速・大容量通信を実現します。
• Massive MIMO：複数のアンテナを使って、複数のデータを同時送信する技術です。これにより、多数同時接続を実現します。
• ビームフォーミング：電波を受信端末に向けて一直線に届ける技術です。これにより、高信頼・低遅延通信を実現します。
• エッジコンピューティング：ユーザーに近い位置にコンピューターを配置し、高速な処理を実現する技術です。これにより、低遅延通信を実現します。

5Gを使う５つのメリット

5Gを使うとどのようなメリットがあるのでしょうか？ここでは、5Gを使う５つのメリットについてご紹介します。

メリット1.超高速・大容量通信が可能に

5G導入による代表的なメリットは、超高速・大容量通信が可能になることです。5Gは4Gの約100倍の速度で通信できます。これは、2時間の映画を数秒でダウンロードできる速さです。また、一度に送受信できるデータ容量も大きいため、高画質な動画や音楽、ゲームなどをストレスなく楽しめます。

メリット2.低遅延・高信頼通信が可能に

5Gは通信の遅延が少なく、安定した接続ができます。通信の遅延は4Gの10分の1程度と小さく、タイムラグを感じることがありません。これにより、ビデオ会議やクラウドゲーム、VR/ARなどのリアルタイム性が求められるサービスを快適に利用できます。また、通信の品質も高く、途切れたり乱れたりすることがありません。

メリット3.多数同時接続が可能に

5Gは多くの機器を同時にネットワークへ接続できます。一平方キロメートルあたり100万台という大量の端末と接続できるため、あらゆるものがインターネットにつながるIoT社会が実現します。家電や自動車などの“モノ”をインターネットにつなげて、連携させることで、より便利で快適な生活ができます。

メリット4.ネットワークスライシングが可能に

5Gはネットワークスライシングという技術を使って、サービスが要求する内容によって異なる（仮想的な）ネットワークを構築できます。例えばあるサービスでは高速大容量なネットワークとして、別のあるサービスでは低遅延で高信頼性のあるネットワークとして利用するなど用途に応じた使い分けが可能です。これにより、効率的で柔軟なネットワークサービスを提供できます。

メリット5.新しいサービスやビジネスが生まれる

5Gは高速・大容量・低遅延・高信頼という特徴を持つことで、新しいサービスやビジネスが生まれる可能性があります。例えば、自動運転や遠隔医療、VR/ARなどの先進的な技術やサービスは、5Gの通信環境があってこそ実現できます。また、IoT化によって、さまざまなデータや情報が収集・分析・活用されることで、新たな価値やニーズが生まれるかもしれません。

使うときの注意点 

注意点1.セキュリティ対策を万全にする

5Gは多くのデバイスをインターネットにつなげることで、便利なサービスやビジネスを生み出す可能性がありますが、同時にサイバーセキュリティのリスクも高まります。接続先の一つにでも脆弱性があれば、サイバー攻撃の被害に遭う恐れがあります。そのため、5Gを利用する際には、自社だけでなく、取引先やサプライチェーン全体でセキュリティを意識し、対策をしておくことが不可欠です。

5Gを利用するには、5Gに対応したデバイスやプランが必要です。現在は対応機種が増えていて選択肢も豊富ですが、4Gのデバイスでは5Gの通信速度や機能を享受できません。また、通信キャリアとの契約も、5Gに対応したプランを選ぶ必要があります。プランによっては、通信量やエリアなどに制限がある場合もありますので、事前に確認しておきましょう。

5Gは現在エリアを順次拡大中ですが、まだ一部5Gがつながらないエリアが残っています。その場合は4Gに切り替わりますが、通信速度や品質は低下します。そのため、該当の地域や職場などが5Gエリア内かあらかじめ確認しましょう。5Gエリアは通信キャリアによって異なりますので、各社の公式サイトやエリアマップでチェックできます。

まとめ

今回は、5Gとは何か、4Gとの違いや特徴、メリットや注意点について解説しました。5Gは高速・大容量・低遅延・高信頼という特徴を持ち、インターネットの利用体験を大きく変えると期待されています。しかし、5Gを利用するには専用のデバイスやプランが必要であり、エリアやセキュリティなどにも注意が必要です。5Gの特性を理解した上で、新しい通信環境を楽しみましょう。

みなさまの成功や幸せへのヒント・気づきになれば幸いです。 

最後までお読みいただきありがとうございました。